焼き栗日記

愛情と憎悪とを狂気で接合しています

#5/20

Hはどうやら自分が正しいと信じて疑わない人種のようです。

Hは普段からプリント配布の際、列の人数を自分で目視して数えています。

当然数え間違えることもあるでしょう。実際、今日Hがプリント配布をした時、ある列のプリントが一枚足りない、ということになりました。

その時Hは「誰かが一枚多くとってると思います。」と生徒を詰問するような口調で言いました。

授業が終わっても、一枚多かったと申告する生徒はいませんでした。


授業中。Hはある問題の長い文章を板書しました。それは教科書と同じ問題だったのですが、教科書には打たれている読点、しかもこれがないと意味が通じなくなるものを打ち忘れていました。

それを生徒に指摘されたHは「見えにくかったな。」と言いました。

一番前の席に座る私が、Hがそもそも読点を打たずに続けて板書する様を見届けています。

後者はそうでもないですが、前者はそれなりに心に残りました。自分の正当性を盲信し、相手の方が悪いという主張を押し付けてくる人間は苦手です。人間誰しもこの傾向はあると思いますが、Hはなかなか頑固そうです。